火山名 薩摩硫黄島 火山の状況に関する解説情報 第3号
平成29年1月5日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 火口から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 本日(5日)、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が鹿児島県の協力に
より実施した上空からの観測では、火口付近は雲に覆われ噴煙を確認するこ
とができませんでしたが、山腹からは弱い噴気を確認し、前回(2016年
5月31日)と比べ噴気の増加が認められました。赤外熱映像装置による観
測では、前回(2011年12月19日)と比べ熱異常域の拡大や高まりは
認められませんでした。

 薩摩硫黄島では、1月1日から体に感じない振幅の小さな火山性地震が増
加し、昨日(4日)は49回、本日(5日)15時までに26回と多い状態
が継続しています。火山性微動は観測されていません。

 1月1日からの火山性地震の回数は以下のとおりです。回数は速報値であ
り、精査の結果、後日変更することがあります。

  1月1日      15回
    2日       6回
    3日      25回
    4日      49回
    5日15時まで 26回

 監視カメラによる観測では、1月1日以降白色の噴煙が最高で火口縁上4
00mまで上がっていますが特段の変化はありません。

 地殻変動観測では、火山活動に伴う変化は認められません。

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 風下側では降灰、風の影響を受ける小さな噴石及び火山ガスに注意してく
ださい。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6日(金)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>