火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第89号 平成28年10月28日16時00分 福岡管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 10月24日から10月28日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせ します。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上500mまで上がりました。 火山性微動の振幅は概ね小さな状態で経過しています。孤立型微動は少な く、火山性地震はやや多い状態で経過しています。 25日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1 日あたり1600トン(前回17日900トン)と多い状態でした。 10月24日以降の火山性地震、孤立型微動の発生状況は以下のとおりで す。なお発生回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがありま す。 火山性地震 孤立型微動 10月24日 78回 6回 25日 54回 4回 26日 51回 9回 27日 38回 8回 28日15時まで 39回 3回 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。 GNSS連続観測では、山体の膨張の可能性が考えられるわずかな伸びの 傾向が、2016年7月頃から認められています。 阿蘇山の火山活動は引き続き活発な状態となっており、今後も2016年 10月8日に発生した爆発的噴火と同程度の噴火が発生する可能性がありま す。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでな く、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意して ください。また、火山ガスに注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、31日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>