火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第73号
平成28年9月2日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 8月29日から9月2日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせし
ます。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上300mまで上がりました。
 
 8月31日に実施した現地調査では、火口周辺の地形や噴煙及び熱異常域
の状況に特段の変化は見られませんでした。

 9月1日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1
日あたり200トン(前回8月25日100トン)と、2014年8月の噴
火前よりはやや多い状態でした。 

 火山性地震は少ない状態で経過し、火山性微動は観測されていません。

 8月29日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   8月29日          0回
     30日          2回
     31日          1回
   9月 1日          3回
      2日15時まで     1回

 地殻変動観測では、特段の変化は認められません。

 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっていま
すが、引き続き噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してく
ださい。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>