火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第63号
平成28年7月29日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 7月25日から7月29日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、2015年6月19日のごく小規模な噴火後、噴火は観測され
ていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上300m以上に上がりました
。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されていませ
ん。

 7月25日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   7月25日          0回
     26日          1回
     27日          2回
     28日          1回
     29日15時まで     1回

 地殻変動観測では、新岳火口を挟むGNSSの基線長が、2016年1月
頃から収縮に転じているとみられます。

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2014年8月の噴火前よりはやや
多い状態です。

 これらのことから、2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能
性はさらに低くなっていますが、引き続き噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してく
ださい。

  次の火山の状況に関する解説情報は、8月1日(月)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>