火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第54号
平成28年6月27日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月24日から6月27日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、2015年6月19日のごく小規模な噴火後、噴火は観測され
ていません。

 遠望カメラによる観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上
がっているのを確認しました。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されていませ
ん。

 6月24日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   6月24日          0回
     25日          0回
     26日          2回
     27日15時まで     0回

 地殻変動観測では、新岳火口を挟むGNSSの基線長が、2016年1月
頃から収縮に転じているとみられます。

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2015年5月の噴火前後より大幅
に減少して経過していますが、2014年8月の噴火前よりはやや多い状態
です。

 これらのことから、2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能
性はさらに低くなっていますが、引き続き噴火の可能性があり、噴火に伴う
弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してく
ださい。

  次の火山の状況に関する解説情報は、7月1日(金)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>