火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第366号
平成27年12月8日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>

1.火山活動の状況
(12月2日から12月8日15時)
 新岳では、6月19日のごく小規模な噴火以降、噴火は観測されていませ
ん。

 遠望カメラによる観測では、昨日(7日)は白色の噴煙が最高で火口縁上
100mまで上がっているのを確認しました。本日(8日)は白色の噴煙が
最高で火口縁上80mまで上がっているのを確認しました。

 6日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び
気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり
100トン(前回11月30日200トン)とやや少ない状態でした。
 
 火山性地震は、昨日は観測されていません。本日は15時までに1回発生
しました。
 火山性微動は観測されていません。

 12月2日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   12月 2日          0回
       3日          0回
       4日          1回
       5日          0回
       6日          0回
       7日          0回
       8日15時まで     1回

 5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっているものの、引
き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。

 火砕流の流下による影響が及ぶと予想される屋久島町口永良部島の居住地
域(前田地区、向江浜地区)では厳重な警戒(避難等の対応)をしてくださ
い。

2.防災上の警戒事項等
 噴火に伴う大きな噴石の飛散が予想される新岳火口から概ね2kmの範囲
及び火砕流の流下による影響が及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2.
5kmの範囲では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、9日(水)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>