火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第362号 平成27年12月4日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続> 1.火山活動の状況 (11月28日から12月4日15時) 新岳では、6月19日のごく小規模な噴火以降、噴火は観測されていませ ん。 遠望カメラによる観測では、昨日(3日)は白色の噴煙が最高で火口縁上 40mまで上がっているのを確認しました。本日(4日)は白色の噴煙が最 高で火口縁上20mまで上がっているのを確認しました。 11月28日から12月1日にかけて実施した現地調査では、火口周辺の 地形や噴気等の状況に変化は見られませんでした。また、赤外熱映像装置に よる観測では、2015年3月頃から5月29日の噴火前に温度上昇が認め られていた新岳火口西側割れ目付近の熱異常域の温度は、噴火前よりも低下 した状態であることを確認しました。 火山性地震は、昨日は観測されていません。本日は15時までに1回発生 しました。 火山性微動は観測されていません。 11月28日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震 回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 11月28日 0回 29日 0回 30日 0回 12月 1日 0回 2日 0回 3日 0回 4日15時まで 1回 5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっているものの、引 き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。 火砕流の流下による影響が及ぶと予想される屋久島町口永良部島の居住地 域(前田地区、向江浜地区)では厳重な警戒(避難等の対応)をしてくださ い。 2.防災上の警戒事項等 噴火に伴う大きな噴石の飛散が予想される新岳火口から概ね2kmの範囲 、及び火砕流の流下による影響が及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2 .5kmの範囲では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(土)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>