火山名  雌阿寒岳  火山の状況に関する解説情報  第54号
平成27年11月9日16時00分  札幌管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 2日から5日にかけて実施した現地調査では、10月の調査と比べてポン
マチネシリ第3・第4火口の地熱域に変化はなく、さらなる拡大は認められ
ませんでした。その他の火口についても特段の変化はみられませんでした。

 ポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする、体には感じない微小
な火山性地震は、8月下旬以降、1日あたり概ね10回以下と少ない状態で
経過しています。

 全磁力連続観測では、ポンマチネシリ96-1火口近傍の地下における熱
活動の活発化の可能性を示す全磁力の変化が継続しています。

 6日から本日(9日)にかけて、ポンマチネシリ96-1火口の噴煙の高
さは火口縁上300m以下で経過しました。

 今期間、火山性微動は観測されていません。また、地殻変動観測では特段
の変化はみられません。

 火山性地震の発生回数(速報値)は以下のとおりです。

                火山性地震 
11月 3日            1回
    4日            5回
    5日            6回
    6日            4回
    7日            7回
    8日            1回
    9日(15時まで)     2回

2.防災上の警戒事項等
 ポンマチネシリ火口から約500mの範囲では、ごく小さな噴火に伴う弾
道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注意
してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、13日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>