火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第81号
平成27年6月15日18時30分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>

1.火山活動の状況
第132回火山噴火予知連絡会見解
 
 本日(15日)、第132回火山噴火予知連絡会が開催され、口永良部島
の火山活動について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。

 口永良部島の火山活動に関する検討結果

 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しています。今後も5月29日
と同程度の噴火が発生する可能性があります。

 口永良部島では2015年5月29日09時59分に新岳火口から爆発的
噴火が発生し、大きな噴石が火口周辺に飛散し、黒灰色の噴煙が火口縁上9
000m以上に上がりました。
 この噴火に伴い発生した火砕流は、新岳火口からほぼ全方位に広がり、北
西側は海岸(向江浜地区)まで、南西側では海岸付近まで、また南東側では
中腹まで流下しました。
 噴火後に火口底は深くなり火口壁の一部が消失しましたが、火口縁の西側
割れ目及び南側割れ目の形状には大きな変化はないことから、今回の噴火は
既存の火口内で発生したものとみられます。
 また今回の噴火は、昨年(2014年)8月3日の噴火を超える規模と推
定され、噴出した火山灰の分析からマグマ水蒸気噴火と推定されています。
 噴火前の5月18日以降、最大M2.3の地震を含む地震活動の活発化が
みられ、噴火の直後から同日の13時にかけて多数の地震が発生しました。
また火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は5月中旬から減少し、5月下旬には
1日あたり300から700トンでしたが、噴火直後は1日あたり3800
トンと非常に多くなりました。
 5月31日以降は噴火は発生していませんが、現在も白色噴煙の活動は続
いており、火山性地震も少ない状態ながら発生しています。二酸化硫黄の放
出量も1日あたり1200トンと多い状態です。
 これらのことから、火山活動は活発であり、引き続き5月29日と同程度
の噴火が発生する可能性があります。
 大きな噴石の飛散や火砕流の流下が予想されますので、厳重な警戒(避難
等の対応)が必要です。新岳火口の北西から南西にかけての沿岸海域でも、
火砕流による影響が及ぶ可能性があるため警戒が必要です。風下側では火山
灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注意が必要で
す。降雨時には土石流の可能性があるため注意が必要です。

2.防災上の警戒事項等
 大きな噴石の飛散及び火砕流の流下が切迫している居住地域では、厳重な
警戒(避難等の対応)をしてください。
 屋久島町の避難等の指示に従ってください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある
ため注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>