火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第32号
平成27年6月1日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(5月25日から6月1日15時までの活動状況)

 火山活動の活発化を示すデータが引き続き観測されています。

 火口カメラ(東北地方整備局)による観測では、2015年1月以降に確
認された、一切経山(いっさいきょうざん)南山腹の大穴火口外の噴気は引
き続きみられています。
 大穴火口からの噴気はやや活発な状態が続いています。

 傾斜計の観測では、2014年4月頃からの緩やかな西側(火口方向側)
上がりの変動が続いています。
 GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測点(大
穴火口の北約500m)が関係する基線で変化がみられており、一切経山付
近の膨張を示唆すると考えられます。
 
 大穴火口付近直下を震源とする火山性地震の発生回数は、5月29日に一
時的にやや多い状態となりましたが、その他の期間は少ない状態で経過しま
した。

 5月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を含む)は、
以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   5月 1日から24日     229回        1回
     25日           0回        0回
     26日           0回        0回
     27日           0回        0回
     28日           3回        0回
     29日          13回        0回
     30日           0回        0回
     31日           2回        0回
   6月 1日(15時まで)    1回        0回

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火
口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴
石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入
らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける
小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6月8日(月)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>