火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第43号 平成27年5月25日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 (5月22日から25日15時) 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しています。 23日08時00分に発生した口永良部島付近を震源とするマグニチュー ド2.3(暫定値)の地震(深さはごく浅い)では、口永良部島で震度3を 観測しました。これ以降に震度1以上を観測する地震は発生していません。 震度1以上を観測したのは2015年1月24日以来です。 噴火は発生しませんでしたが、新岳火口からの噴煙量は2014年8月3 日の噴火前に比べて多い状態が継続しており、白色の噴煙が最高で火口縁上 500mまで上がりました。また、同火口では、夜間に高感度カメラで火映 を時々観測しました。 火山性地震を29回観測しました。火山性微動は観測されませんでした。 GNSS連続観測では、2014年12月頃から山麓の観測点による基線 の一部で認められたわずかな伸びの傾向は2月頃から鈍化しています。 22日から25日に気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地 調査では、新岳火口からの活発な噴煙や同火口の西側割れ目付近からの噴気 を引き続き確認しました。新岳火口西側部分の熱異常域は引き続き認められ ました。風下側で明らかに感じる臭気が認められました。 20日(期間外)と24日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災 研究所及び屋久島町が実施した観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり 500トンから1000トン(前回17日1200トン)とやや多い状態で した。 以上のように火山活動の高まりがみられており、今後、爆発力が強い噴火 や規模の大きな噴火に移行する可能性があります。 5月22日からの火山性地震、火山性微動の回数(速報値)は以下のとお りです。 火山性地震 火山性微動 5月22日 1回 0回 5月23日 14回 0回 5月24日 13回 0回 5月25日(15時まで) 1回 0回 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石に警戒してください。 向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流 に警戒してください。 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある ため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>