火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第28号
平成27年5月7日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動の活発化を示すデータが引き続き観測されています。

 大穴火口付近直下を震源とする火山性地震は、3月11日以降少ない状態
で経過していましたが、5月3日から増加し、5月6日には110回と多く
発生しました。
 また、5月6日3時20分頃に火山性微動が発生しました。微動の発生に
伴い、浄土平観測点(大穴火口の東南東約1km)の傾斜計で一時的に西側
(火口方向側)上がりの変動を観測しました。

 本日(7日)、仙台管区気象台は現地調査を実施し、大穴火口内でやや活
発な噴気活動が継続しているのを確認しました。また、2015年1月以降
に確認された一切経山(いっさいきょうざん)南山腹の大穴火口外の噴気も
引き続き認められました。

 傾斜計の観測では、2014年4月頃からの緩やかな西側(火口方向側)
上がりの変動が続いています。
 GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測点(大
穴火口の北約500m)が関係する基線で変化がみられており、一切経山付
近の膨張を示唆すると考えられます。
 
 4月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を含む)は、
以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   4月 1日から30日     30回        0回
   5月 1日           1回        0回
      2日           3回        0回
      3日          17回        0回
      4日          11回        0回
      5日          26回        0回
      6日         110回        1回
      7日(15時まで)    0回        0回

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火
口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴
石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入
らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける
小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5月11日(月)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>