火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第28号 平成27年4月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 (3月30日から4月3日15時) 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しています。 白色の噴煙が最高で火口縁上1000mまで上がりました。噴火は発生し ませんでしたが、新岳火口からの噴煙量は2014年8月3日の噴火前に比 べて多い状態が継続しています。 また、新岳火口では3月30日から31日にかけて、夜間に高感度カメラ で火映を観測しました。 火山性地震を14回観測しました。火山性微動は観測されませんでした。 3月30日に気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査で は、新岳火口からの活発な噴煙や、同火口の西側割れ目付近からの噴気を引 き続き確認しました。また、新岳火口西側割れ目付近の熱異常域内で温度の 上昇が認められました。風下側では、はっきり感じる程度の臭気が認められ ました。 GNSS連続観測では、2014年12月頃から山麓の観測点による基線 長の一部でわずかな伸びの傾向が認められます。 以上のように火山活動の高まりがみられており、今後、爆発力が強い噴火 や規模の大きな噴火に移行する可能性があります。 3月30日からの火山性地震、火山性微動の回数(速報値)は以下のとお りです。 火山性地震 火山性微動 3月30日 3回 0回 3月31日 4回 0回 4月 1日 3回 0回 4月 2日 2回 0回 4月 3日(15時まで) 2回 0回 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石に警戒してください。 向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流 に警戒してください。 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある ため注意してください。 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、6日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>