火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第26号
平成27年3月27日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
 (3月23日から27日15時)
 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しています。
 白色の噴煙が最高で火口縁上800mまで上がりました。噴火は発生しま
せんでしたが、新岳火口からの噴煙量は2014年8月3日の噴火前に比べ
て多い状態が継続しています。

 また、同火口では24日から27日にかけて、夜間に高感度カメラで火映
を観測しました。
 このため25日に気象庁機動調査班(JMA-MOT)が第十管区海上保
安本部の協力を得て、口永良部島上空からの観測を実施しました。その結果
、新岳火口西側部分の熱異常域内で温度の上昇が認められました。

 23日、24日、27日に福岡管区気象台が実施した現地調査及び、東京
大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所及び屋久島町が23日、25
日に実施した観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1000トンから
1500トン(前回20日3700トン)と多い状態でした。

 GNSS連続観測では、2014年12月頃から山麓の観測点による基線
長の一部でわずかな伸びの傾向が認められます。

 以上のように火山活動の高まりがみられており、今後、爆発力が強い噴火
や規模の大きな噴火に移行する可能性があることから、新岳の活動状況や表
面現象等の変化について詳細な調査を実施するため、3月28日に気象庁本
庁から全国機動班を派遣し、福岡管区気象台火山監視・情報センターの地域
機動班と合同で機動観測を実施します。

 3月23日からの火山性地震、火山性微動の回数(速報値)は以下のとお
りです。

               火山性地震    火山性微動
   3月23日          4回       0回
   3月24日          1回       0回
   3月25日          2回       0回
   3月26日          2回       0回
   3月27日(15時まで)   1回       0回

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石に警戒してください。
 向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流
に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある
ため注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、30日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>