火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第24号 平成27年3月20日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 (3月16日から3月20日15時) 桜島では、活発な噴火活動が続いています。 昭和火口では、爆発的噴火が13回発生しました。 17日06時33分の爆発的噴火では、多量の噴煙が火口縁上3300m まで上昇しました。また、15時37分の噴火では、ごく小規模な火砕流が 発生し、昭和火口の南東側へ約600m流下しました。昭和火口で火砕流が 発生したのは2014年7月4日以来です。さらに、同日20時18分の爆 発的噴火では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が3合目(昭和火口より1 300から1800m)まで達しました。また、同火口では、19日の夜間 に高感度カメラで明瞭に見える火映を観測しました。 16日に実施した現地調査では、鹿児島市有村町の有村溶岩展望所付近で 、14日06時44分(期間外)の爆発的噴火に伴って落下したと推定され る最大約2cmの小さな噴石(火山れき)を確認しました。 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観 測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月1日頃から山体の膨 張と考えられる変化が継続しています。 この膨張が解消されると、2012年7月24日及び2013年8月18 日以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生する可能性があります。 引き続き活発な噴火活動が継続する可能性がありますので、火山活動の推 移に注意してください。 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。 火山性地震は16日にやや多くなりましたが、それ以外は少ない状態で経 過しました。噴火に伴う火山性微動が発生しています。 3月16日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値) は以下のとおりです。 火山性地震 火山性微動 爆発的噴火 3月16日 58回 16回 4回 3月17日 21回 20回 6回 3月18日 38回 22回 1回 3月19日 39回 7回 2回 3月20日(15時まで) 11回 0回 0回 2.防災上の警戒事項等 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ れて降るため注意してください。 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>