火山名 吾妻山 火山の状況に関する解説情報 第21号 平成27年3月16日16時00分 仙台管区気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 1.火山活動の状況 火山活動はやや活発な状況で推移しています。 一切経山の南山腹では、本日(16日)、これまではみられていなかった 融雪域と弱い噴気を確認しました。 本日、福島県の協力により実施した上空からの観察でも、融雪域と弱い噴 気を確認しましたが、その他の大穴火口周辺の状況にも変化はみられません でした。 GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山(いっさいきょう ざん)南山腹観測点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で変化がみ られており、一切経山付近の膨張を示唆すると考えられます。 傾斜計では、2015年3月5日頃から変化がみられませんが、長期的に は2014年4月頃からの緩やかな西側(火口方向側)上がりの状態です。 今期間、火山性地震は少ない状況で経過しました。震源は、これまでと同 様に大穴火口付近直下のごく浅いところと推定されます。 火山性微動は2月15日以降観測されていません。 平成27年3月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を 含む)は、以下のとおりです。 火山性地震 火山性微動 3月 1日から 9日 70回 0回 10日 6回 0回 11日 0回 0回 12日 0回 0回 13日 0回 0回 14日 0回 0回 15日 0回 0回 16日(15時まで) 0回 0回 遠望カメラによる大穴火口からの噴気は、やや活発な状態が続いています 。 2.防災上の警戒事項等 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火 口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴 石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入 らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける 小さな噴石、火山ガスに注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時00分頃に発表 の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>