火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第20号 平成27年3月6日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 (3月2日から3月6日15時) 桜島では、活発な噴火活動が続いています。 昭和火口では、爆発的噴火が7回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴 石が最大4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。4 日に実施した現地調査では、桜島島内の鹿児島市有村町付近(昭和火口の南 側約3km)で、同日03時20分の爆発的噴火に伴って落下したと推定さ れる最大約2cmの小さな噴石(火山れき)を確認しました。また、同火口 では、2日から4日にかけて夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を観測 しました。 2月27日(期間外)に九州地方整備局の協力を得て実施した上空からの 観測では、昭和火口および南岳山頂火口は噴煙のため火口の状況は確認でき ませんでした。 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観 測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月1日頃から山体の膨 張と考えられる変化が継続しています。 この膨張が解消されると、2012年7月24日及び2013年8月18 日以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生する可能性があります。 引き続き活発な噴火活動が継続する可能性がありますので、火山活動の推 移に注意してください。 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。 火山性地震は3日から4日にかけて一時的に増加しましたが、それ以外は 少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生しています。 3月2日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)は 以下のとおりです。 火山性地震 火山性微動 爆発的噴火 3月 2日 27回 1回 0回 3月 3日 61回 9回 1回 3月 4日 73回 12回 4回 3月 5日 28回 12回 2回 3月 6日(15時まで) 3回 1回 0回 2.防災上の警戒事項等 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ れて降るため注意してください。 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>