火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第19号
平成27年3月2日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動はやや活発な状況で推移しています。

 今期間、火山性地震は多い状況になりました。地震は2月24日から25
日かけて増加し、振幅の大きなものも発生しました。震源は、これまでと同
様に大穴火口付近直下のごく浅いところと推定されます。

 傾斜計では、2014年4月頃からの穏やかな西側(火口方向側)上がり
の変動が継続しており、2015年1月26日以降はその変化率が大きくな
っています。
 また、GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山(いっさい
きょうざん)南山腹観測点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で、
一切経山付近の膨張を示唆すると考えられる変化がみられます。

 火山性微動は2月15日以降観測されていません。
 平成27年2月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を
含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   2月 1日から23日     99回        1回
     24日          30回        0回
     25日          26回        0回
     26日           4回        0回
     27日           3回        0回
     28日           3回        0回
   3月 1日           7回        0回
      2日(15時まで)    7回        0回

 火口カメラ(東北地方整備局)と遠望カメラでは、火口とその付近の噴気
の状況に変化は認められません。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火
口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴
石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入
らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける
小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時00分頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>