火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第19号
平成27年3月2日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(2月27日から3月2日15時)
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、2月28日07時17分に爆発的噴火が発生し、弾道を描
いて飛散する大きな噴石が5合目(昭和火口より500から800m)まで
達しました。また、同火口では、3月1日に夜間に高感度カメラで明瞭に見
える火映を観測しました。

 2月27日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1
600トン(前回2月9日、2800トン)とやや多い状態でした。
 
 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月1日頃から山体の膨
張と考えられる変化が継続しています。
 この膨張が解消されると、2012年7月24日及び2013年8月18
日以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生する可能性があります。
 
 引き続き活発な噴火活動が継続する可能性がありますので、火山活動の推
移に注意してください。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。
 
 2月27日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 2月27日         13回     9回     0回
 2月28日         47回    15回     1回
  3月 1日         14回     1回     0回 
 3月 2日(15時まで)   6回     0回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6日(金)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>