火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第16号
平成27年2月24日18時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
第131回火山噴火予知連絡会見解
 本日(24日)、第131回火山噴火予知連絡会が開催され、口永良部島
の火山活動について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。

 口永良部島の火山活動に関する検討結果

 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しており、火山ガス観測や地殻
変動観測では、今後、火山活動がさらに高まる可能性があることを示す変化
もみられていることから、火山活動の推移を注意深く見守る必要があります
。

 口永良部島の新岳では、昨年(2014年)8月3日の噴火の後、新たな
噴火は発生していませんが、噴煙活動は活発な状態で継続しています。
 二酸化硫黄の放出量は、昨年の噴火以降、増加傾向にあり、昨年11月に
は1日あたり2千トンを超え、今年(2015年)1月には最高で3千トン
程度と多い状態になっています。
 火山性地震は時々発生しており、今年1月24日には一時増加して、島内
で震度1を観測する規模の地震も発生しました。
 GNSSによる地殻変動観測では、昨年12月頃から島内の一部の基線に
わずかな伸びの傾向が認められます。

 以上のように、口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しており、今後
も昨年8月3日と同程度の噴火が発生する可能性があります。
 また、火山ガス観測や地殻変動観測によると、今後、爆発力が強い噴火や
規模の大きな噴火に移行する可能性もありますので、火山活動の推移を引き
続き注意深く見守る必要があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西にかけて、
火口から海岸までの範囲では火砕流に警戒してください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。ま
た、降雨時には土石流の可能性がありますので注意してください。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>