火山名 御嶽山 火山の状況に関する解説情報 第40号 平成27年1月19日18時30分 気象庁地震火山部 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 【本日(19日)17時00分に発表した火山の状況に関する解説情報第 39号において、本文の一部に欠落がありましたので改めて発表します。】 火山噴火予知連絡会拡大幹事会の検討結果 本日(19日)、火山噴火予知連絡会拡大幹事会が開催され、御嶽山の火 山活動について検討を行い、結果を以下のとおりとりまとめました。 御嶽山の火山活動に関する検討結果 御嶽山の火山活動は引き続き低下してきています。現状で昨年(2014 年)9月27日と同程度ないし上回る規模の噴火が発生する可能性は低くな っています。火口列からの噴煙活動や地震活動は続いており、今後も小規模 な噴火が発生する可能性があります。 御嶽山では、昨年(2014年)10月中旬以降、噴火は観測されず、二 酸化硫黄の放出量も、昨年10月までは1日あたり500から1500トン とやや多い状態でしたが、10月下旬以降は1日あたり100トンから30 0トンとやや少ない状態となっています。 火山性微動は、噴火直前から昨年10月6日まではほぼ連続的に発生して いましたが、その後は11月21日から23日に継続時間の短いものが計4 回発生した以外は観測されていません。火山性地震も、昨年10月上旬まで は1日あたり数十回と多い状態でしたが、その後は減少傾向となり、1日あ たり数回から十数回とやや少ない状態となっています。 国土地理院のGNSSデータの解析によると、昨年9月上旬頃から御嶽山 を挟む基線でごくわずかな伸びと、9月下旬頃からわずかな縮みの傾向がみ られ、12月までに9月上旬頃の基線長に戻っています。 以上のことから、御嶽山の火山活動は低下してきており、現状で昨年9月 27日と同程度ないし上回る規模の噴火が発生する可能性は低くなっていま す。しかしながら、再び地震活動が高まったり、噴煙活動に変化がみられた りした場合には、噴火活動が活発化する可能性がありますので、観測データ を注意深く見守る必要があります。 火口列からの噴煙活動や地震活動は続いており、今後も小規模な噴火が発 生する可能性があります。 火口から概ね2キロメートルの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石に警戒してください。また、9月27日と同規模の火砕流が発 生した場合には、地獄谷方向では火口から概ね2.5キロメートルに影響が 及ぶ可能性がありますので、警戒してください。風下側では降灰及び風の影 響を受ける小さな噴石に注意してください。また、降雨時には土石流の可能 性がありますので注意してください。 2.防災上の警戒事項等 火口から概ね3キロメートルの範囲では大きな噴石の飛散と火砕流に警戒 してください。 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそ れがあるため注意してください。 また、降雨時には土石流の可能性がありますので注意してください。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>