火山名 吾妻山 火山の状況に関する解説情報 第6号 平成27年1月15日10時30分 仙台管区気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 1.火山活動の状況 昨日(14日)、09時頃から急増した火山性地震(1時間あたりの最多 は10時台の53回)は、15時頃から1時間に10回未満に減少し、更に 本日(15日)は09時までに計7回と少なくなりました。 震源は大穴火口付近直下のごく浅いところと推定され、これまでと変わり はありません。 しかしながら、昨日の地震回数は191回と1998年以降では最多とな り、12月以降、火山性地震は消長を繰り返しながらも増加傾向で経過して います。 また、傾斜計では、長期的な緩やかな西(火口方向)上がりの変動が継続 しています。 GNSS連続観測では、9月頃から一切経山南山腹観測点(大穴火口の北 約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられており、一切経山付近 の膨張を示唆している可能性が考えられます。 これらのことから吾妻山の火山活動は高まった状態となっており、今後、 状況によっては小規模な噴火が発生する可能性があります。 平成27年1月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を 含む)は、以下のとおりです。 火山性地震 火山性微動 1月1日から7日 237回 0回 8日 18回 0回 9日 36回 0回 10日 62回 0回 11日 39回 0回 12日 59回 0回 13日 19回 0回 14日 191回 0回 15日(09時まで) 7回 0回 平成26年12月13日以降、火山性微動は観測されていません。 火口カメラ及び遠望カメラでは、火口とその付近の噴気の状況に変化は認 められません。 昨日、陸上自衛隊の協力で実施した上空からの観測でも、一切経山や吾妻 小富士付近の表面現象に異常は認められませんでした。 2.防災上の警戒事項等 大穴火口から概ね500mの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛 散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な 地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風 の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、16日(金)16時00分頃に発表 の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>