火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第5号
平成27年1月14日11時30分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 吾妻山では、本日(14日)09時頃から大穴火口直下付近が震源と推定
される火山性地震が急増しています。
 09時台に19回、10時台に53回(速報値)と急増し、振幅の大きな
地震も発生しています。平成26年12月12日の火山性微動発生以降では
最も活発な地震活動となっています。
 平成26年12月以降、火山性地震が多い状況で推移しています。

 平成26年12月13日以降、火山性微動は観測されていません。

 平成26年12月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値
を含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   12月           576回        1回
    1月1日から7日     237回        0回
      8日          18回        0回
      9日          36回        0回
     10日          62回        0回
     11日          39回        0回
     12日          59回        0回
     13日          19回        0回
     14日(11時まで)   79回        0回

 傾斜計では、地震増加に対応して一時的な西(火口方向)上がりの変動が
みられました。長期的な緩やかな西(火口方向)上がりの変動は継続してい
ます。
 GNSS連続観測では、9月頃から一切経山南山腹観測点(大穴火口の北
約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられており、一切経山付近
の膨張を示唆している可能性が考えられます。

 火口カメラ及び遠望カメラでは、火口とその付近の噴気の状況に変化は認
められません。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口から概ね500mの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風
の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>