火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第42号
平成26年10月24日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(10月20日から10月24日15時)
 阿蘇山では、やや活発な火山活動が続いています。

 22日夜遅くから23日未明にかけて周期の短い火山性微動が発生し、翌
朝、阿蘇火山博物館設置の火口カメラに火山灰が付着していました。24日
の現地調査では、中岳第一火口周辺で降灰が認められました。これらのこと
から、22日夜遅くから23日未明にかけて、ごく小規模な噴火が発生した
と考えられます。

 遠望観測では、雲のため上記の噴火は確認できませんでしたが、白色の噴
煙が火口縁上600mまで上がりました。
 火山性微動の振幅が10月21日以降大きくなりました。このため、火山
性地震及び孤立型微動の回数が少なく計数されていますが、火山性地震及び
孤立型微動は多い状態で経過していると推定されます。
 21日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり130
0トン(前回16日1000トン)と多い状態でした。
 中岳第一火口では、夜間に高感度カメラで火映を時々観測しました。また
、夜間に阿蘇火山博物館設置の火口カメラで火炎を時々観測しました。
 地殻変動観測では、特段の変化は認められません。

 10月20日からの孤立型微動、火山性地震の回数(速報値)は以下のと
おりです。

                孤立型微動    火山性地震
  10月20日                  373回      97回
  10月21日         295回      86回
  10月22日          76回      31回
  10月23日         589回      21回
  10月24日(15時まで)  142回      51回

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、27日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>