火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第39号
平成26年10月23日19時30分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
火山噴火予知連絡会見解
 本日(23日)、火山噴火予知連絡会が開催され、口永良部島の火山活動
について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。

 口永良部島の火山活動に関する検討結果

 口永良部島では、噴煙活動等が継続しており、今後も8月3日と同程度の
噴火が発生する可能性があります。

 口永良部島の新岳では、8月3日に噴火が発生しました。大きな噴石が山
頂火口から約1キロメートルの範囲に飛散し、火砕流が新岳山頂火口の南西
側から西側にかけてと東側に流下しました。噴出した火山灰には新鮮なガラ
ス質粒子が少量含まれており、今回の噴火にはマグマが関与したと考えられ
ます。

 8月3日の噴火以降、新たな噴火は発生していません。新岳山頂火口や西
側割れ目からの噴煙活動がやや活発な状態で継続しており、10月7日から
8日に実施した現地調査では、新岳南西斜面で新たな噴気が確認されていま
す。
 二酸化硫黄の放出量は、1日あたり200から500トンと噴火前(1日
あたり100トン未満)よりも多い状態となっています。
 火山性地震や継続時間の短い火山性微動を時々観測しました。
 水準測量やGNSS観測によると、山麓の観測点による基線長には大きな
変化は認められていません。 

 以上のことから、噴煙活動等は継続しており、今後も8月3日と同程度の
噴火が発生する可能性があります。
 現在のところ、マグマが大量に上昇していることを示す変化はみられず、
大規模な噴火につながる兆候は認められませんが、今後も地殻変動等のデー
タを注意深く見守る必要があります。

 引き続き、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流に警戒し
てください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してく
ださい。また、降雨時には土石流の可能性がありますので注意してください
。

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流
に警戒してください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。
 降雨時には土石流の可能性がありますので注意してください。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>