火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第35号
平成26年10月10日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(10月6日から10月10日15時)
 口永良部島では、噴火は発生しませんでした。

 遠望観測では、白色の噴煙が火口縁上50mまで上がりました。
 7日及び8日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は両日とも1
日あたり500トン(前回9月12日300トン)と噴火前に比べて多い状
態が続いています。また、新岳火口及び西側割れ目付近で噴煙が上がってい
るのを確認した他、新たに新岳の南西斜面で噴気が上がっているのを確認し
ました。赤外熱映像装置による観測では、引き続き新岳火口縁の西側及び西
側の割れ目付近で高温域を確認した他、南西斜面の新たな噴気地帯も高温域
となっているのを確認しました。
 火山性地震及び火山性微動は観測されませんでした。
 地殻変動観測では、特段の変化は認められません。

 10月6日からの火山性地震、火山性微動の回数(速報値)は以下のとお
りです。なお、台風の影響で地震の検知力が低下しており、小さな地震が観
測できていない可能性があります。

               火山性地震   火山性微動
  10月 6日         0回      0回
  10月 7日         0回      0回
  10月 8日         0回      0回
  10月 9日         0回      0回
  10月10日(15時まで)  0回      0回

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流
に警戒してください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。
 降雨時には土石流の可能性がありますので注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、14日(火)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>