火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第80号
平成26年10月3日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(9月29日から10月3日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が5回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴
石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。大隅河
川国道事務所の有村観測坑道および京都大学防災研究所のハルタ山観測総合
坑道に設置している傾斜計および伸縮計では、9月21日頃から山体の膨張
と考えられる変化が継続していましたが、10月2日以降は収縮の傾向に転
じ、噴火を繰り返しながら、その変化は現在まで継続しています。

 また、昭和火口では、夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を10月2
日から3日にかけて観測しました。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 9月29日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  9月29日        20回    14回     1回
  9月30日        17回    13回     2回
 10月 1日        18回    33回     0回
 10月 2日        31回     7回     2回
 10月 3日(15時まで) 15回     0回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、10月6日(月)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>