火山名  御嶽山  火山の状況に関する解説情報  第15号
平成26年9月28日19時50分  気象庁地震火山部

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
火山噴火予知連絡会拡大幹事会見解

 本日(28日)、火山噴火予知連絡会拡大幹事会が開催され、御嶽山の火
山活動について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。

 御嶽山の火山活動に関する検討結果

 御嶽山では、9月27日11時52分頃に火砕流を伴う噴火が発生しまし
た。その後も火山活動が高まった状態となっており、今後も噴火が発生する
可能性があります。

 御嶽山では、9月27日11時52分頃に噴火が発生しました。今回の噴
火の規模は1979年の噴火と同程度と考えられます。火砕流が南西方向に
3キロメートル以上流下し、気象レーダーの観測によると噴煙は東に流れ、
その高度は火口上約7,000メートルと推定されます。その後の上空から
の調査によると、噴火は剣ヶ峰山頂の南西側で北西から南東にのびる火口列
から発生したとみられ、大きな噴石が火口列から1キロメートルの範囲に飛
散しているのが確認されました。火砕流は発生しましたが、地獄谷付近で樹
木等が焦げたような痕跡は認められませんでした。また、噴出した火山灰に
は新鮮なマグマに由来する物質は確認されておらず、今回の噴火は水蒸気噴
火であったと考えられます。御嶽山で噴火が発生したのは2007年以来で
す。
この噴火の11分前から発生し始めた火山性微動は、噴火発生以降、振幅の
大きい状態が約30分間続きました。また、傾斜計により、噴火の7分前か
ら山側が隆起、噴火後からは山側が沈降するような変化が観測されました。

 御嶽山では、1979年に有史後初めての噴火が発生し、1991年、2
007年にもごく小規模な噴火が発生しました。それ以降、火山活動は概ね
静穏に経過してきましたが、今年9月10日から11日にかけて剣ヶ峰山頂
付近を震源とする火山性地震が一時的に増加し、14日以降は低周波地震が
時折発生しました。火山性地震は次第に減少していました。地殻変動や山頂
部の噴気活動には、特段の変化はみられていませんでした。今回の噴火前の
変化は、ごく小規模な噴火が発生した2007年の状況に比べても小さいも
のでした。

 9月27日の噴火以降、山頂火口からの噴煙活動が活発な状態で、火山性
微動が振幅は小さくなりつつも9月28日15時時点で継続しており、また
、火山性地震が多い状態となっているなど、御嶽山の火山活動は高まった状
態で推移しています。このことから、今後も同程度の噴火が発生し、火砕流
を伴う可能性があります。
 一方、GNSSによる地殻変動観測では特段の変化は観測されておらず、
現時点で大規模な噴火につながる兆候は認められません。

2.防災上の警戒事項等
 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流に警戒してください
。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。爆
発的噴火に伴う大きな空振に注意してください。また、降雨時には土石流の
可能性がありますので注意してください。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>