火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第96号
平成25年11月25日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(11月22日から11月25日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 昭和火口では、爆発的噴火が12回発生し、弾道を描いて飛散する大きな
噴石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。
 24日16時23分の爆発的噴火では、多量の噴煙が火口縁上4000m
まで上がり、北側から北東側にかけて流れました。この噴火に伴い、桜島島
内から霧島市付近や宮崎県南部にかけて降灰が確認されました。噴火後の現
地調査では、鹿児島市高免町から黒神町にかけての範囲(昭和火口から北東
側約4.5km)で、最大7mmの小さな噴石(火山れき)を確認しました
。
 
 南岳山頂火口では、22日14時10分にごく小規模な噴火が発生し、噴
煙が火口縁上100mまで上がりました。

 22日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり160
0トン(前回15日、900トン)とやや多い状況でした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 11月22日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値
)は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 11月22日         8回     4回     0回
 11月23日        18回    20回     6回
 11月24日        22回     8回     4回
 11月25日(15時まで) 16回     5回     2回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、29日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>