火山名 全国の活火山 火山の状況に関する解説情報 第11号 平成25年9月9日16時00分 気象庁地震火山部 **(本 文)** 本日、全国の活火山の活動状況や警戒事項を取りまとめた月間火山概況( 平成25年8月)を発表しました。その概要は以下のとおりです。詳しくは 月間火山概況及び火山活動解説資料を参照ください。 1.主な火山活動の状況 霧島山(新燃岳)では、今期間、噴火の発生はありませんでした。しかし 、火口には多量の溶岩が溜まっており、現在でも小規模な噴火が発生する可 能性は否定できません。火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継 続しており、新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い て飛散する大きな噴石に警戒してください。 桜島では、爆発的噴火を含む活発な噴火活動が継続しました。18日に発 生した爆発的噴火では、鹿児島市内から薩摩川内市甑島にかけての広範囲で 降灰を確認し、鹿児島市内では多量の降灰により、公共交通機関が一時運転 を見合わせるなどの影響が出ました。29日に発生した爆発的噴火では、桜 島島内から宮崎市にかけて降灰を確認しました。また、9月4日(期間外) に発生した爆発的噴火では、上空のやや強い風により噴煙は南に流れ、昭和 火口の南約3kmの鹿児島市古里町から有村町にかけての範囲で最大約4c mの小さな噴石(火山れき)が降下しました。これにより、十数台の車のガ ラスが割れるなどの被害が発生しました。火口周辺警報(噴火警戒レベル3 、入山規制)が継続しており、昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの 範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒し てください。 諏訪之瀬島では、25日に噴火が発生し、26日以降、爆発的噴火が断続 的に発生するなど、噴火活動は活発に経過しました。火口周辺警報(噴火警 戒レベル2、火口周辺規制)が継続しており、火口から概ね1kmの範囲で は、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。 樽前山では、7月に活発化した山体西側を震源とする地震活動は、8月に 入り徐々に低下しつつあります。山頂溶岩ドーム直下では、地震増加や火山 性微動は観測されておらず、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められ ませんが、今後の火山活動の推移に注意してください。 八甲田山では、2013年2月以降、山頂付近が震源と考えられる火山性 地震が散発的に発生し、4月下旬以降やや多い状況で経過しています。山体 周辺の地殻変動観測では2013年2月頃以降、小さな膨張性の地殻変動が みられます。噴気等の表面現象に変化はみられませんが、今後の火山活動の 推移に注意してください。 2.噴火警報、噴火予報の発表状況 霧島山(新燃岳):火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制) 桜島 :火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制) 三宅島 :火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制) 諏訪之瀬島 :火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制) 硫黄島 :火口周辺警報(火口周辺危険) 福徳岡ノ場 :噴火警報(周辺海域) (周辺海域警戒) 噴火予報発表火山(噴火警戒レベル対象火山) 以下の活火山 [噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)] 雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、岩手山、 秋田駒ヶ岳、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、草津白根山、浅間山 、新潟焼山、焼岳、御嶽山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島 、九重山、阿蘇山、雲仙岳、霧島山(御鉢)、薩摩硫黄島、口永良部島 噴火予報発表火山(噴火警戒レベル対象外火山) 以下の活火山[噴火予報(平常)] 知床硫黄山、羅臼岳、天頂山、摩周、アトサヌプリ、雄阿寒岳、丸山、大 雪山、利尻山、恵庭岳、倶多楽、羊蹄山、ニセコ、恵山、渡島大島、恐山 、岩木山、八甲田山、十和田、八幡平、鳥海山、栗駒山、鳴子、肘折、蔵 王山、沼沢、燧ヶ岳、高原山、日光白根山、赤城山、榛名山、横岳、妙高 山、弥陀ヶ原、アカンダナ山、乗鞍岳、白山、利島、新島、神津島、御蔵 島、八丈島、青ヶ島、ベヨネース列岩、須美寿島、伊豆鳥島、孀婦岩、西 之島、海形海山、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、南日吉海山、日光海山 、三瓶山、阿武火山群、鶴見岳・伽藍岳、由布岳、福江火山群、米丸・住 吉池、若尊、池田・山川、開聞岳、口之島、中之島、硫黄鳥島、西表島北 北東海底火山、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿 登佐岳、ベルタルベ山、ルルイ岳、爺爺岳、羅臼山、泊山