火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第89号 平成24年10月24日18時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 火山噴火予知連絡会の検討結果 本日(24日)、第124回火山噴火予知連絡会が開催され、霧島山(新 燃岳)の火山活動について検討を行い、結果を以下のとおりとりまとめまし た。 霧島山(新燃岳)の火山活動に関する検討結果 新燃岳の北西地下深くのマグマだまりへの深部からのマグマの供給は停止 した状態が続いています。しかし、現在でも火口には高温の溶岩が溜まって おり、火口直下の火山性地震が続いていることから、小規模な噴火が発生す る可能性は否定できません。 霧島山(新燃岳)では、昨年9月7日の噴火以降、噴火は発生していませ ん。 新燃岳直下の火山性地震は今年5月頃から減少していますが、8月30日 に新燃岳南西1km付近で一時的に地震が増加した後、それまでよりわずか に多い状態になっています。1日あたりの二酸化硫黄の放出量は、7月以降 、数10トン未満で検出限界に近い状態で経過しています。 GPS観測によると、新燃岳の北西数kmの地下深くにあると考えられる マグマだまりの膨張は、昨年12月以降鈍化・停滞しています。他の領域の 地殻変動データにも特段の変化は認められていません。霧島山周辺の地震活 動にも、顕著な変化は認められません。 以上のように、マグマだまりへの深部からのマグマの供給は停止した状態 が続いています。しかし、火口には多量の溶岩が溜まっており、火口直下の 火山性地震がわずかながらも続いていることから、現在でも小規模な噴火が 発生する可能性は否定できません。 また、今後、マグマの供給が再開すれば、昨年1月下旬から2月上旬の本 格的な噴火の規模に匹敵または上回る新たな噴火活動の可能性はあります。 引き続き、新燃岳火口周辺では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴 石に警戒が必要です。噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石 (火山れき)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 気象台の発表する噴火警報や霧島山上空の風情報に留意してください。 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に留意して ください。 2.防災上の警戒事項等 新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する 大きな噴石に警戒が必要です。 噴火時には、風下側で火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 噴火警報や霧島山上空の風情報に留意してください。 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に留意して ください。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>