火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第121号
平成23年10月31日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(10月28日から10月31日15時)
 霧島山(新燃岳)では、9月7日の噴火以降、噴火の発生はありませんで
した。
 火山性地震は、やや多い状態が続いています。火山性微動は観測されませ
んでした。
 遠望観測では、本日(31日)火口縁上600mの白色噴煙を観測しまし
たが、それ以外の日は天候不良のため噴煙は観測できませんでした。
 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められませんでした。
 本日午前中に実施した航空自衛隊航空救難団芦屋救難隊の協力による上空
からの調査では、火口内に蓄積された溶岩は前回(10月25日)と比較し
て特段の変化はなく、主に溶岩の東側及び北側から、白色の噴煙が火口縁上
100から200m程度上がっているのを確認しました。 

 10月28日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のと
おりです。
               火山性地震    爆発的噴火
 10月28日          33回       0回
 10月29日          79回       0回
 10月30日           8回       0回
 10月31日(15時まで)    8回       0回

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、11月4日(金)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>