火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第84号 平成23年7月1日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 (6月27日から7月1日15時) 霧島山(新燃岳)では、6月29日10時27分に小規模な噴火が発生し 、灰白色の噴煙が火口縁上1000mまで上がり北側に流れました。その後 、噴火は本日(7月1日)01時21分まで継続しました。この噴火による 大きな噴石の飛散や火砕流の発生は確認されませんでした。噴火の発生は6 月23日以来です。 6月29日に実施した現地調査及び聞き取り調査では、降灰は新燃岳の北 方向に分布し、新燃岳から約50km離れた熊本県五木村でも確認されまし た。 傾斜計では、6月28日02時頃から新燃岳側のわずかな隆起を示す変化 が現れ、噴火発生とともに沈降に転じ、隆起以前の状態に戻りました。 遠望観測では、噴火の継続に伴い灰白色の噴煙が観測されましたが、本日 は天候不良のため噴煙は不明です。 火山性地震は、6月28日02時頃から増加し多い状態となりましたが、 噴火発生とともに減少に転じました。噴火に伴う火山性微動が6月29日1 0時23分から始まり本日01時21分まで継続しました。 6月27日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお りです。 火山性地震 爆発的噴火 6月27日 30回 0回 6月28日 500回 0回 6月29日 208回 0回 6月30日 13回 0回 7月 1日(15時まで) 34回 0回 2.防災上の警戒事項等 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する 大きな噴石に警戒が必要です。 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に 注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧 島山上空の風情報に注意してください。 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して ください。 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>