火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第81号
平成23年6月24日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(6月20日から6月24日15時)
 新燃岳では、昨日(23日)20時49分にごく小規模な噴火が発生しま
した。灰白色の噴煙の高さは火口縁上200mで東に流れました。23日及
び24日の聞き取り調査では新燃岳の北東約19kmの宮崎県小林市でごく
少量の降灰が確認されました。噴火の発生は6月16日以来です。
 傾斜計では、噴火に伴い新燃岳側が沈降する変化がみられました。 
 火山性地震は、22日から多い状態となっていましたが、噴火の後、減少
傾向がみられます。火山性微動は噴火に伴い23日20時33分から21時
42分まで発生しました。

 本日(24日)実施した現地調査では二酸化硫黄の平均放出量は一日あた
り1400トンと前回(6月9日400トン)と比べて増加し、やや多い状
態でした。

 6月20日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお
りです。

              火山性地震     爆発的噴火
6月20日           9回        0回
6月21日          10回        0回
6月22日         278回        0回
6月23日         805回        0回
6月24日(15時まで)  177回        0回
 

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、27日(月)16時00分頃に発表
の予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>