火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第79号
平成23年6月17日16時10分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(6月13日から6月17日15時)
 新燃岳では、16日18時05分頃に振幅の小さな火山性微動が発生し、
17日に実施した聞き取り調査で、新燃岳の東側約15kmの宮崎県高原町
及び宮崎県小林市でごくわずかな降灰が確認されました。これらのことから
、ごく小規模な噴火が発生したと推定されます。噴煙の状況は雲のため確認
できませんでした。新燃岳で噴火が発生したのは4月18日以来です。
 傾斜計では14日22時頃から新燃岳側のわずかな隆起を示す変化が続い
ています。
 火山性地震は14日から多い状態が続き、16日18時頃からはさらに増
加しています。

 6月13日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお
りです。

              火山性地震     爆発的噴火
 6月13日         31回        0回
 6月14日        113回        0回
 6月15日        227回        0回
 6月16日        524回        0回
 6月17日(15時まで) 502回        0回

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、20日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>