火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第65号 平成23年5月6日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 (5月2日から5月6日15時) 霧島山(新燃岳)では、4月19日以降噴火の発生はありません。遠望観 測では、期間中、噴煙は白色で、最高高度は火口縁上500mでした。 2日に航空自衛隊新田原救難隊の協力を得て行った上空からの観測では、 火口内に蓄積された溶岩に大きな変化はありませんでした。白色噴煙は、主 に溶岩縁辺の北側及び東〜南東側から火口縁上100m程度上がっていまし た。 傾斜計では、4日00時頃から新燃岳側のわずかな隆起の変化が認められ ていましたが、4日11時頃から沈降に転じ、その後停滞しています。 火山性地震は増減を繰り返しながらやや多い状態が続いています。火山性 微動は時々発生しました。 5月2日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとおり です。 火山性地震 爆発的噴火 5月 2日 27回 0回 5月 3日 16回 0回 5月 4日 48回 0回 5月 5日 60回 0回 5月 6日(15時まで) 24回 0回 2.防災上の警戒事項等 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する 大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に 注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。また、 爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧島山上空 の風情報に注意してください。 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して ください。 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>