火山名  霧島山（新燃岳）  火山の状況に関する解説情報  第５４号
平成２３年４月１日１６時００分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

＊＊（本  文）＊＊
＜火口周辺警報（噴火警戒レベル３、入山規制）が継続＞

１．火山活動の状況
（３月２９日から４月１日１５時）
　霧島山（新燃岳）では、２９日０３時３３分と０５時１６分にごく小規模
の噴火が発生し、噴煙の最高高度は火口縁上５００ｍで、南東に流れました
。３０日に実施した現地調査では二酸化硫黄の放出量は１日あたり２００ト
ン（前回３月１７日、２００トン）と、少ない状態でした。
　高千穂河原と湯之野観測点の傾斜計では、２９日の噴火に先行して、２５
日０９時頃から新燃岳側が隆起する変化が観測され、噴火に伴い沈降に転じ
、隆起変化以前の状態に戻りました。

　火山性地震は、噴火の発生した２９日は多い状態でしたが、それ以降は少
なくなっています。火山性微動は２９日に３回、本日（１日）１回発生して
います。　

　３月２９日からの火山性地震と爆発的噴火の回数（速報値）は以下のとお
りです。

　　　　　　　　　　　　　　火山性地震　　　　　爆発的噴火
３月２９日　　　　　　　　　　１１４回　　　　　　　　０回
３月３０日　　　　　　　　　　　　７回　　　　　　　　０回
３月３１日　　　　　　　　　　　　６回　　　　　　　　０回
４月　１日（１５時まで）　　　　　８回　　　　　　　　０回
　

２．防災上の警戒事項等
　新燃岳火口から概ね３ｋｍの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。
　風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石（火山れき）に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径４ｃｍ程度の小さ
な噴石（火山れき）が新燃岳火口から１０ｋｍを超えて降りました。
　また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
　降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

　
　次の火山の状況に関する解説情報は、４月４日（月）１６時頃に発表の予
定です。
　なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
　＜訂正＞
平成２３年３月２９日１６時００分に発表した「火山の状況に関する解説情
報　第５３号」の本文４行目の噴火発生時刻を「０３時３３分と０５時４６
分」から「０３時３３分と０５時１６分」に訂正します。

＜火口周辺警報（噴火警戒レベル３、入山規制）が継続＞