火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第53号
平成23年3月29日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(3月28日から3月29日15時)
 霧島山(新燃岳)では、本日(29日)03時33分と05時46分にご
く小規模の噴火が発生し、噴煙は火口縁上500mまで上がりました。この
噴火による大きな噴石の飛散や火砕流は発生しませんでした。
 気象庁の高千穂河原と湯之野観測点の傾斜計では、25日09時頃から新
燃岳側のわずかな隆起を示す変化が続いていましたが、これらの噴火に伴い
沈降する変化が観測され、隆起変化以前の状態に戻りました。その後、これ
らの傾斜計に特段の変化は見られません。

 火山性地震は、27日以降、多い状態で推移していましたが、本日のごく
小規模の噴火以降は少なくなっています。噴火に伴う火山性微動が発生しま
した。 

 3月28日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお
りです。

              火山性地震     爆発的噴火
3月28日          201回        0回
3月29日(15時まで)   111回        0回
 

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

 
 次の火山の状況に関する解説情報は、4月1日(金)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>