火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第51号 平成23年3月25日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 1.火山活動の状況 (3月22日から3月25日15時) 霧島山(新燃岳)では、23日08時23分に噴火が発生し、灰白色の噴 煙が火口縁上1000mまで上がり、南東に流れました。 火山性地震は、23日の噴火前後に増加するなど、増減を繰り返しながら やや多い状態が続いています。火山性微動が時々発生しています。 23日の噴火に先行して、高千穂河原及び湯之野観測点の傾斜計で21日 16時頃から新燃岳側が隆起する変化が観測され、噴火に伴い沈降に転じ、 隆起変化以前の状態に戻りました。その後、特段の変化はみられません。 22日に海上自衛隊第72航空隊鹿屋航空分遣隊の協力を得て行った上空 からの調査では、火口内に蓄積された溶岩に大きな変化は認められませんで した。 3月22日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお りです。 火山性地震 爆発的噴火 3月22日 72回 0回 3月23日 269回 0回 3月24日 24回 0回 3月25日(15時まで) 3回 0回 2.防災上の警戒事項等 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する 大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に 注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧 島山上空の風情報に注意してください。 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して ください。 次の火山の状況に関する解説情報は、3月28日(月)16時頃に発表の 予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>