火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第44号
平成23年3月4日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況(3月2日〜3月4日15時)
 霧島山(新燃岳)では、噴火が断続的に発生しています。昨日(3日)1
5時15分に噴火が始まり、18時08分には噴煙が火口縁上1500mで
南東側へ流れ、雲に入りました。2日23時頃から、気象庁の高千穂河原及
び湯之野観測点の傾斜計では山体のわずかな膨張を示す変化が認められまし
たが、18時08分以降、山体の急激な収縮を示す変化が認められました。
 爆発的噴火は3月1日以降発生していません。

 2月28日07時33分から続いていた振幅の小さな火山性微動は、本日
(4日)、14時19分まで継続しました。火山性地震は、増減を繰り返し
ながら多い状態が続いており、3日18時08分以降に一時的に増加しまし
た。

 3月2日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとおり
です。

              火山性地震     爆発的噴火
3月2日             4回        0回
3月3日            51回        0回
3月4日(15時まで)     39回        0回

 3月2日に実施した霧島山火山ガス観測では、1日あたりの二酸化硫黄の
放出量は1300トンとやや多い状態でした。
 本日(4日)、航空自衛隊芦屋救難隊の協力により、上空から行った調査
では、火口内の状況及び蓄積された溶岩の大きさに前回の調査(3月2日)
と比べて大きな変化はありませんでした。


2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね4kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う火砕流に警戒が必要で
す。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

 
 次の火山の状況に関する解説情報は、3月7日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>