2007年 No.46 火山の概況 (平成19年11月9日 〜 平成19年11月15日)
【噴火した火山】
【活発もしくはやや活発な状況の火山】
図1 活動解説を掲載した各火山の今期間の活動状況
注1 本資料で示すレベルは、火山活動度レベルを導入した火山におけるレベルを言う。
注2 記号の意味
▲:噴火した火山
●:活動が活発もしくはやや活発な状況の火山
◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化のあった火山、もしくはその他記事を掲載した火山
①②等の丸付き数字:火山活動度レベル
【各火山の活動解説】
● 樽前山 [やや活発な状況]
A火口及びB噴気孔群では依然として高温の状態が続いていると推定される。
樽前山の火山活動はやや活発な状況が続いており、火口周辺では注意が必要である。
なお、地震活動及び噴煙活動は低調な状態が続いており、地殻変動に特段の変化はなかった。
● 三宅島 [やや活発な状況]
12日及び15日に行った現地調査では、二酸化硫黄の放出量は一日あたり1,400〜2,500トン(前回10月24日、1,000〜2,100トン)と依然として多量の火山ガス放出が続いている。
噴煙高度は火口縁上概ね200mで推移した。火山性地震はやや多い状態が続いている。
三宅島の火山活動はやや活発な状況が続いており、多量の火山ガス放出は当分続くと考えられる。風下にあたる地区では火山ガスに対する警戒が必要である。また、雨による泥流にも注意が必要である。
なお、地殻変動に特段の変化はなかった。
● 硫黄島 [やや活発な状況]
国土地理院及び防災科学技術研究所の観測によると、島全体が大きく隆起する地殻変動は2007年1月頃に鈍化したものの現在も継続しており、島内の地震活動もやや活発な状態が続いている。
硫黄島の火山活動はやや活発な状況が続いており、従来から小規模な水蒸気爆発が見られていた領域では、今後も注意が必要である。
▲ 桜島 [比較的静穏な噴火活動(レベル2)]
10日及び11日に南岳山頂火口でごく小規模な噴火が発生した。
10日に火山性地震が一時的にやや増加した。火山性微動は消長を繰り返しながらやや多い状態が続いている。
国土地理院のGPS観測によると、姶良(あいら)カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ注入によると考えられる長期的な膨張が続いている。
桜島では長期にわたり噴火活動が続いており、南岳山頂火口及び昭和火口から半径2km以内では注意が必要である。
● 薩摩硫黄島 [やや活発な状況 (レベル2)]
硫黄岳山頂火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上概ね300mで推移した。火山性地震はやや多い状態が続いている。
薩摩硫黄島の火山活動はやや活発な状況が続いており、硫黄岳山頂火口周辺では注意が必要である。
● 口永良部島 [やや活発な状況 (レベル2)]
火山性地震及び火山性微動は消長を繰り返しながらやや多い状態が続いている。
口永良部島の火山活動はやや活発な状況が続いており、新岳(しんだけ)火口周辺では注意が必要である。
なお、遠望カメラ(新岳火口の北西約3kmに設置)では、新岳火口周辺の噴気等は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。
● 諏訪之瀬島 [活発な状況 (レベル3)]
今期間、噴火は観測されなかった。
火山性地震及び火山性微動は消長を繰り返しながらやや多い状態が続いている。
諏訪之瀬島では、長期にわたり噴火を繰り返すなど火山活動は活発な状況が続いており、御岳(おたけ)火口から半径2km以内では注意が必要である。