2007年 No.1 火山の概況 (平成18年12月29日 〜 平成19年1月4日)
【噴火した火山】
【活発もしくはやや活発な状況の火山】
【静穏な状況であるが観測データ等に変化のあった火山】
- ◇ 御嶽山 [静穏な状況]
- 12月29日以降火山性地震が一時的に多発した。
図1 活動解説を掲載した各火山の今期間の活動状況
注1 本資料で示すレベルは、火山活動度レベルを導入した火山におけるレベルである。
注2 記号の意味
▲:噴火した火山
●:活動が活発もしくはやや活発な状況の火山
◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化のあった火山、もしくはその他記事を掲載した火山
??????等の丸付き数字:火山活動度レベル
【各火山の活動解説】
● 十勝岳 [やや活発な状況]
62-2火口では、2006年1月以降、噴煙活動及び火口温度に低下傾向がみられるものの、依然として熱活動はやや活発な状態にあり、噴煙高度は火口縁上概ね100mで推移した。
火山性地震は少ない状態が続いている。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。
● 樽前山 [やや活発な状況]
A火口及びB噴気孔群では依然として高温の状態が続いていると推定される。
噴煙活動・地震活動は低調な状態が続いている。地殻変動に特段の変化はなかった。
◇ 御嶽山 [静穏な状況]
12月29日以降、身体に感じない微小な火山性地震が一時的に多発した。震源は山頂付近の浅い所と推定され、最大地震は30日15時33分に発生したマグニチュード1)1.3の地震である。火山性微動は観測されていない。
遠望カメラ(王滝頂上の南東約14kmに設置)による観測では噴気は認められず、地殻変動にも特段の変化はなかった。
1)マグニチュードは地震の規模を示す。資料中のマグニチュードは暫定値で、後日変更することがある。
● 三宅島 [やや活発な状況]
12月30日09時すぎに空振2)を伴う低周波地震3)が2回発生した。これらの地震発生時の噴煙状況には特段の変化はなく、その後の現地調査でも降灰は確認されなかった。
火山性地震は、30日の低周波地震発生直後から1月1日にかけて一時的に回数が減少した以外はやや多い状態が続いた。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。
噴煙活動は活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上200〜300mで推移した。
今期間は火山ガス観測を行わなかったが、三宅村によると山麓では時々高濃度の二酸化硫黄が観測されており、噴煙活動に大きな変化が見られないことから、依然として多量の火山ガスの放出が続いていると推定される。
2)噴火などで発生した空気の急激な圧力変化が大気中を周囲に伝わる現象。
3)周期の長い波を特徴とした地震。三宅島では、低周波地震が発生した場合には、山頂火口から火山灰噴出を伴うことがある。
● 霧島山(新燃岳) [やや活発な状況(レベル2)]
火山性地震は消長を繰り返しながらやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されなかった。
遠望カメラ(山頂火口の南約7kmに設置)による観測では噴気は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。
▲ 桜島 [比較的静穏な噴火活動(レベル2)]
南岳山頂火口では、1月2日に爆発的噴火があったほか、ごく小規模な噴火が時々発生した。1月2日の爆発的噴火による噴煙の最高高度は火口縁上2,500mで、噴石が5合目まで飛散した。昭和火口では噴火は発生しなかったが、弱い噴気が時々観測された。
火山性地震及び火山性微動はやや多い状態が続いている。地殻変動に特段の変化はなかった。
● 薩摩硫黄島 [やや活発な状況 (レベル2)]
硫黄岳山頂火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上概ね200mで推移した。
火山性地震はやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されなかった。
● 口永良部島 [やや活発な状況 (レベル2)]
火山性地震及び火山性微動はやや多い状態が続いている。
遠望カメラ(新岳火口の北西約3kmに設置)による観測では、12月30日と31日に新岳火口付近に弱い噴気が認められた。
地殻変動に特段の変化はなかった。
▲ 諏訪之瀬島 [活発な状況 (レベル3)]
十島村役場諏訪之瀬島出張所によると小規模な噴火が時々発生した。
火山性地震は1月3日と4日にやや多く発生したが、その他の日は概ね少ない状態で経過した。火山性微動は観測されなかった。
表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

火 山 名 | 情報の種類及び号数 | 発表日時 | 概 要 |
---|---|---|---|
三 宅 島 | 火山観測情報第1号 (週1回発表) |
1月4日 16:30 |
最近の火山活動評価。12月28日〜1月4日16時の活動状況。本号より週1回発表に変更 |