2006年 No.52 火山の概況 (平成18年12月22日 〜 平成18年12月28日)
【噴火した火山】
【活発もしくはやや活発な状況の火山】
- ● 十勝岳 [やや活発な状況]
- 62-2火口の熱活動はやや活発な状態が続いている。
- ● 樽前山 [やや活発な状況]
- A火口及びB噴気孔群では高温状態が続いていると推定される。
- ● 三宅島 [やや活発な状況]
- 噴煙活動は活発で、多量の火山ガスの放出が続いていると推定される。
- ● 霧島山(新燃岳) [やや活発な状況(レベル2)]
- 火山性地震のやや多い状態が続いている。
- ● 薩摩硫黄島 [やや活発な状況(レベル2)]
- 噴煙活動はやや活発で、火山性地震のやや多い状態が続いている。
- ● 口永良部島 [やや活発な状況(レベル2)]
- 火山性地震及び火山性微動はやや多い状態が続いている。
- ● 諏訪之瀬島 [活発な状況(レベル3)]
- 今期間、噴火は発生しなかったが、長期にわたり噴火活動は活発な状態が続いている。
図1 活動解説を掲載した各火山の今期間の活動状況
注1 本資料で示すレベルは、火山活動度レベルを導入した火山におけるレベルである。
注2 記号の意味
▲:噴火した火山
●:活動が活発もしくはやや活発な状況の火山
◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化のあった火山、もしくはその他記事を掲載した火山
①②等の丸付き数字:火山活動度レベル
【各火山の活動解説】
● 十勝岳 [やや活発な状況]
62-2火口では、今年1月以降、噴煙活動及び火口温度に低下傾向がみられるものの、依然として熱活動はやや活発な状態にあり、噴煙高度は火口縁上100〜200mで推移した。
火山性地震は少ない状態が続いている。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。
● 樽前山 [やや活発な状況]
A火口及びB噴気孔群では依然として高温の状態が続いていると推定される。
噴煙活動・地震活動は低調な状態が続いている。地殻変動に特段の変化はなかった。
● 三宅島 [やや活発な状況]
噴煙活動は活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上200〜300mで推移した。
今期間は火山ガス観測を行わなかったが、三宅村によると山麓では時々高濃度の二酸化硫黄が観測されており、噴煙活動に大きな変化が見られないことから、依然として多量の火山ガスの放出が続いていると推定される。
火山性地震はやや多い状態が続いている。25日と26日には地震回数が一時的に増加したが、噴煙やその他の観測データに特段の変化は見られなかった。火山性微動は観測されなかった。地殻変動観測に特段の変化はなかった。
● 霧島山(新燃岳) [やや活発な状況(レベル2)]
火山性地震は消長を繰り返しながらやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されなかった。遠望カメラ(山頂火口の南約7kmに設置)による観測では噴気は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。
▲ 桜島 [比較的静穏な噴火活動(レベル2)]
南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生した。昭和火口では噴火は発生しなかったが、弱い噴気が時々観測された。
火山性地震及び火山性微動はやや多い状態で経過した。地殻変動に特段の変化はなかった。
● 薩摩硫黄島 [やや活発な状況 (レベル2)]
硫黄岳山頂火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上概ね200mで推移した。
火山性地震はやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されなかった。
● 口永良部島 [やや活発な状況 (レベル2)]
火山性地震及び火山性微動はやや多い状態が続いている。
遠望カメラ(新岳の北西約4kmに設置)による観測では、24日と26日に新岳火口付近に弱い噴気が認められた。
地殻変動に特段の変化はなかった。
● 諏訪之瀬島 [活発な状況 (レベル3)]
長期にわたり噴火を繰り返すなど、火山活動は活発な状態が続いている。
今期間、噴火は観測されず、火山性地震及び火山性微動は少ない状態で経過した。
表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

火 山 名 | 情報の種類及び号数 | 発表日時 | 概 要 |
---|---|---|---|
三 宅 島 | 火山観測情報 第356〜362号 (1日1回発表) |
12月22日〜28日 16:30 |
前日16時〜当日16時の活動状況及び上空の風の予想。22日に上空の風の予想の発表を終了した。 |