2006年 No.49 火山の概況 (平成18年12月1日 〜 平成18年12月7日)

【噴火した火山】

桜島 [比較的静穏な噴火活動(レベル2)
南岳山頂火口でごく小規模な噴火が時々発生した。

【活発もしくはやや活発な状況の火山】

十勝岳 [やや活発な状況]
62-2火口の熱活動はやや活発な状態が続いている。
樽前山 [やや活発な状況]
A火口及びB噴気孔群では高温状態が続いていると推定される。
三宅島 [やや活発な状況]
噴煙活動は活発で、多量の火山ガスの放出が続いている。
霧島山(新燃岳) [やや活発な状況(レベル2)]←3日に静穏な状況(レベル1)から引き上げ
3日に火山性地震が多発した。
薩摩硫黄島 [やや活発な状況(レベル2)
噴煙活動はやや活発で、火山性地震のやや多い状態が続いている。
口永良部島 [やや活発な状況(レベル2)
火山性地震及び火山性微動のやや多い状態が続いている。
諏訪之瀬島 [活発な状況(レベル3)
2日から4日に火山性連続微動が断続的に発生した。



図1  各火山の今期間の火山活動度レベル及び記事を掲載した火山
図1  活動解説を掲載した各火山の今期間の活動状況


注1 本資料で示すレベルは、火山活動度レベルを導入した火山におけるレベルである。

注2 記号の意味
 ▲:噴火した火山
 ●:活動が活発もしくはやや活発な状況の火山
 ◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化のあった火山、もしくはその他記事を掲載した火山
 ①②等の丸付き数字:火山活動度レベル



【各火山の活動解説】

 各記号の意味は次のとおり。▲:噴火が観測された火山。●:活動が活発もしくはやや活発な状態である火山。◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化があった火山、もしくはその他の記事を掲載した火山。


● 十勝岳  [やや活発な状況]

 62-2火口では、今年1月以降、噴煙活動及び火口温度に低下傾向がみられるものの、依然として熱活動はやや活発な状態にある。今期間は悪天のため噴煙の状況はほとんど確認できなかったが、7日に火口縁上100mまで上がるのが観測された。
 火山性地震は少ない状態が続いている。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。


● 樽前山  [やや活発な状況]

 A火口及びB噴気孔群では依然として高温の状態が続いていると推定される。
 噴煙活動及び地震活動は低調な状態が続いている。地殻変動に特段の変化はなかった。


● 三宅島  [やや活発な状況]

 噴煙活動は活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上100〜300mで推移した。
 4日に行った火山ガス観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1,400〜2,800t(前回11月29日 1日あたり1,600〜2,000t)と、依然として多量の火山ガスの放出が続いている。
 火山性地震はやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。


● 霧島山(新燃岳)  [やや活発な状況(レベル2)]←3日に静穏な状況(レベル1)から引き上げ

 3日に火山性地震が多発した。火山性地震は、4日以降少なくなっているが、2日以前に比べやや多い状態が続いている。火山活動はやや活発な状況になったため、3日に火山活動度レベルを1から2に引き上げた。
 5日に行った現地調査では、新たな噴気や高温域の拡大などは認められず、噴気や火口の状況に特段の変化はなかった。


▲ 桜島  [比較的静穏な噴火活動(レベル2)]

 南岳山頂火口ではごく小規模な噴火が時々発生した。
 昭和火口では噴火は発生しなかった。
 火山性地震及び火山性微動はやや少ない状態で経過した。地殻変動に特段の変化はなかった。


● 薩摩硫黄島  [やや活発な状況 (レベル2)]

 硫黄岳山頂火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上概ね200mで推移した。
 火山性地震はやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されなかった。


● 口永良部島  [やや活発な状況 (レベル2)]

 火山性地震及び火山性微動は増減を繰り返しながらやや多い状態が続いている。監視カメラ(新岳の北西約4kmに設置)による観測では、4日に新岳火口付近に弱い噴気が認められた。


●諏訪之瀬島  [活発な状況 (レベル3)

 2日〜4日にかけて断続的に火山性連続微動が発生した。火山性地震は2日に多く発生したが、その他の日は概ね少ない状態で経過した。




表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

表2 火山情報発表状況
火 山 名 情報の種類及び号数 発表日時 概 要
三 宅 島 火山観測情報
第335〜341号
(1日1回発表)
12月1日〜7日
16:30
前日16時〜当日16時の活動状況及び上空の風の予想。29日に実施した火山ガス観測の結果。
霧島山 火山観測情報
第7号
12月3日
17:35
霧島山・新燃岳で、火山性地震が増加し、火山活動がやや活発になった。このため、火山活動度レベルを1から2に引き上げた。レベルは2
火山観測情報
第8号
12月5日
16:20
霧島山・新燃岳の現地調査の結果、噴気や火口の状況に特段の変化はなかった。火山性地震は少なくなっているものの2日以前に比べやや多い状態が続いている。レベルは2


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