2006年 No.44 火山の概況 (平成18年10月27日 〜 平成18年11月2日)
【噴火が観測された火山】
【活動が活発もしくはやや活発な状態である火山】
図1 活動解説を掲載した各火山の今期間の活動状況
注1 本資料で示すレベルは、火山活動度レベルを導入した火山におけるレベルである。
注2 記号の意味
▲:噴火が観測された火山
●:活動が活発もしくはやや活発な状態である火山
◇:静穏な状態であるが観測データに変化のあった火山、もしくはその他の記事を掲載した火山
①②等の丸付き数字:火山活動度レベル
【各火山の活動解説】
● 十勝岳 [やや活発な状況]
62-2火口では依然として高温の状態が続いていると推定される。同火口からの噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上100〜200mで推移した。
火山性地震は少ない状態が続いている。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。
● 樽前山 [やや活発な状況]
A火口及びB噴気孔群では依然として高温の状態が続いていると推定される。
噴煙活動・地震活動は低調な状態が続いている。地殻変動に特段の変化はなかった。
● 三宅島 [やや活発な状況]
噴煙活動は活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上200〜300mで推移した。
今期間は火山ガス観測を行わなかったが、三宅村によると山麓では時々高濃度の二酸化硫黄が観測されており、噴煙活動に大きな変化はみられないことから、依然として多量の火山ガスの放出が続いていると推定される。
火山性地震の回数はやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。
▲ 桜島 [比較的静穏な噴火活動(レベル2)]
南岳山頂火口では10月27日に噴煙高度が1,200mに達する噴火が発生したほか、ごく小規模な噴火が時々発生した。
昭和火口では噴火は発生しなかった。
火山性地震及び火山性微動はやや多い状態で経過した。地殻変動に特段の変化はなかった。
● 薩摩硫黄島 [やや活発な状況 (レベル2)]
硫黄岳山頂火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上概ね300mであった。
火山性地震はやや多く、ごく小規模な火山性微動が時々発生した。
● 口永良部島 [やや活発な状況 (レベル2)]
火山性地震および火山性微動が増減を繰り返しながらやや多い状態が続いている。監視カメラ(新岳の北西約4kmに設置)による観測では、火口縁を超える噴気は確認されなかった。
▲ 諏訪之瀬島 [活発な状況 (レベル3)]
10月27日に噴煙高度が1,000mに達する噴火が発生した。また、十島村役場諏訪之瀬島出張所によれば、10月28日〜29日にかけて小規模な噴火が時々発生した。
火山性地震は10月27日にはやや多く発生したが、概ね少ない状態で経過した。
表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

火 山 名 | 情報の種類及び号数 | 発表日時 | 概 要 |
---|---|---|---|
三 宅 島 | 火山観測情報 第300〜306号 (1日1回発表) |
10月27日〜11月2日 16:30 |
前日16時〜当日16時の活動状況及び上空の風の予想。 |
口永良部島 | 火山観測情報第2号 | 10月27日 15:00 |
火山性地震及び火山性微動がやや多くなっている。また、9月頃から新岳山頂部で膨張を示す地殻変動が認められているほか、2005年3月に比べ熱活動の高まりが認められた。 |