四国の天候

四国地方の気象特性や季節ごとの天候の特徴をまとめました。

  • 高松(瀬戸内側)と高知(太平洋側)の月別の気温変化をみると、気温が最も高いのは8月で最も低いのは1月です(第1・2図)。
    1月の最低気温分布図から太平洋側では、室戸岬や足摺岬を中心に黒潮の影響を受けて瀬戸内側より暖かい特徴があります(第3図)。
    また、8月の最高気温分布図では、太平洋高気圧に広く覆われるため、瀬戸内側と太平洋側で差はみられません(第4図)。
  • 月降水量は、高松・高知ともに梅雨(6~7月)と秋雨・台風(9月)の時期に降水量が多くなっていますが、年降水量は台風や南からの湿った空気の影響を受けやすい高知の2666.4ミリに対して高松では1150.1ミリと大きな差があります(第5図)。
  • 日照時間は、冬季(1月~2月)には寒気の影響で雲が広がりやすい高松では高知に比べて少なくなります(第1・2図)。

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第1図:高松の月別平年値(1991~2020年)
第1図:高松の月別平年値(1991~2020年)
四国地方の地形図 第3図:1月の最低気温分布図(平年値)
第3図:1月の最低気温分布図(平年値)
四国地方は、東に紀伊山地と西に九州山地、北は中国山地が位置し、地形的には3方を山地に囲まれています。また、四国には石鎚山(愛媛県:標高1982m)や剣山(徳島県:標高1955m)に代表される急峻な四国山地が東西に連なり、四国山地を境に瀬戸内側と太平洋側で気候特性に違いがみられます。
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第2図:高知の月別平年値(1991~2010年) 第2図:高知の月別平年値(1991~2020年)
第5図:年降水量平年値分布図 第5図:年降水量平年値分布図(四捨五入で整数表示) 第4図:8月の最高気温分布図(平年値) 第4図:8月の最高気温分布図(平年値)
グラフの凡例



2018年2月12日9時の天気図

2018年2月12日9時の天気図
日本付近は冬型の気圧配置となり、日本海側では大雪となったが、四国地方では山地や山沿いで雪の降った所があるものの、概ね晴れの天気となった。

ユーラシア大陸でシベリア高気圧が、北太平洋北部ではアリューシャン低気圧がそれぞれ発達して、冬型(西高東低)の気圧配置となります。北西の季節風が吹き、日本海側の地方では曇りや雪または雨の日が多くなりますが、四国地方では晴れる日が多くなります。しかし、関門海峡から流れ込む季節風が強まるときには、瀬戸内側では雲が広がり、山地や山沿いで大雪となることもあります。また、寒気が残っているところに低気圧が四国の南を進むと、低気圧が寒気を引き込み、平野部でも積雪となることもあります。太平洋側では、沖合いを流れる黒潮(暖流)の影響を受けて、この時期としては温暖となる特徴があります。 2013年3月1日9時の天気図

2013年3月1日9時の天気図
日本海を低気圧が発達しながら通過したため、南風が強まり、四国地方では春一番が吹いた。
高気圧と低気圧が日本付近を交互に通過し、天気は数日の周期で変わることが多くなります。低気圧の接近時には南から暖かい空気が流れ込み気温が上昇しますが、低気圧の通過後は北からの冷たい空気が流れ込み、気温が下降するため気温変動が大きくなります。また、瀬戸内側では暖かく湿った空気が冷たい地面や海面によって冷やされて霧が発生しやすくなります。
2013年8月12日9時の天気図

2019年8月1日9時の天気図
日本付近は、日本の東海上に中心をもつ背の高い高気圧に覆われた。西日本から東日本、東北地方南部にかけて猛暑日を観測した地点が多くあり、厳しい暑さとなった。
四国地方では、平年では6月5日ごろに梅雨入りし、7月18日ごろに梅雨明けとなります。6月は梅雨前線の影響で9月と並んで降水量が多くなります。梅雨明け後も太平洋高気圧の張り出しが弱い場合には、太平洋高気圧の縁を回る南からの暖かく湿った空気が急峻な四国山地によって上昇流となり、太平洋側では降水量が多くなりますが、瀬戸内側は四国山地に阻まれて少雨傾向となります。瀬戸内側では古くから少雨対策として「ため池」が作られました。 2013年9月3日9時の天気図

2013年9月3日9時の天気図
西日本から東日本に停滞する秋雨前線と台風第17号の影響で広い範囲で大雨となった。
高気圧と低気圧が日本付近を交互に通過し、天気は数日の周期で変わることが多くなります。9月は太平洋高気圧が次第に弱まり、台風や秋雨前線の影響を受けて6月と並んで降水量が多くなります。特に四国の太平洋側は、この時期としては日本で最も降水量の多い地域の一つです。秋季の後半は、次第に冬型の気圧配置が現れて晴れる日が多くなります。