三宅島噴火の歴史
1643年以降に発生した噴火における主な溶岩流および噴火地形(矢印は溶岩流の流下を示す)。
津久井ほか(2001)を参考に作成
(気象庁技術報告第128号(2006)より引用)
三宅島では、有史以来たびたび噴火災害が発生しており、記録が残されています。
20世紀以降においても1940年(昭和15年)、1962年(昭和37年)、1983年(昭和58年)、2000年(平成12年)と4回の噴火が発生しています。
また、現在も、三宅島では年に数回程度、ごく小規模な噴火が発生しています。2005年以降の噴火の記録はこちらを参照ください。
西暦 | 年号 | 活動の内容 | 活動期間 |
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1085年 | 応徳2年 | 噴火 | |
1154年 | 久寿元年 | 噴火 | |
1469年 | 文明元年 | 噴火 | |
1535年 | 天文4年 | 噴火 | |
1595年 | 文録4年 | 噴火 | |
1643年 | 寛永20年 | 溶岩は海中へ約1km流出。阿古村(現在の位置とは異なる)は全村焼失。旧坪田村は風下のため火山灰、焼石が多数降り、人家、畑を埋めた。 | 約3週間 |
1712年 | 正徳元年 | 山麓(?)で噴火、溶岩が海中にまで流出。阿古村では泥水の噴出で多くの家屋埋没。牛馬死亡。 | 約2週間 |
1763年 | 宝暦13年 | 雄山山頂噴火、阿古村薄木でも噴火。 | 約6年間 |
1811年 | 文化8年 | 北側山腹噴火。 | 約1週間 |
1835年 | 天保6年 | 西山腹の笠地付近で噴火、噴石、溶岩流。 | 約10日間 |
1874年 | 明治7年 | 神着村南方の山中で噴火。溶岩は北方に流れ海に5000m2の新しい陸地をつくる。人家45戸が溶岩に埋没。死者1名。 | 約2週間 |
1940年 | 昭和15年 | 7月12日北東山腹より噴火、溶岩流出。14日から山頂噴火。多量の火山灰、火山弾放出。死者11名、負傷20名、牛の被害35頭、全壊・焼失家屋24棟、その他被害大。...詳細 | 約25日間 |
1962年 | 昭和37年 | 8月24日北東山腹の海抜200〜400m付近から噴火。多数の火孔から溶岩を海中にまで流出。噴火は30時間で終了したが、噴火中から有感地震頻発。焼失家屋5棟、山林耕地等に被害。...詳細 | 約30時間 |
1983年 | 昭和58年 | 10月3日南西山腹に生じた割れ目から噴火。溶岩噴泉、溶岩流。島の南部でマグマ水蒸気爆発が発生し、多量の岩塊が周辺に落下。溶岩流で阿古地区の住宅の埋没・焼失約400棟。山林耕地等にも被害。総噴出量2000万トン。...詳細 | 約15時間 |
2000年 | 平成12年 | 6月26日から地震活動が始まり、27日に西方沖で海底噴火を確認。7月8日雄山山頂で噴火が始まり、7月14〜15日、8月10、13、14、18、29日に噴火。山頂カルデラ内に直径約1.6km、深さ約450mの陥没孔が出現。降灰、噴石はあるが溶岩は噴出せず。低温の火砕流発生。火山灰多量。火山性ガスの噴出は1日あたり数万トンに及ぶ。全島民約3,800人が4年5か月の間島外避難。火山活動は継続中。...詳細 | 継続中 |
参考文献
津久井雅志・新堀賢志・川辺禎久・鈴木裕一(2001):三宅島火山の形成史. 地学雑誌, 110(2), 156-167.