火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報(臨時) 第19号
令和5年2月9日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 阿蘇山では、昨日(8日)06時30分頃から火山性微動の振幅が大きく
なり、現在は4. 0マイクロメートル毎秒程度で推移しています。今後、振
幅の変動がさらに大きくなるなど、火山活動が高まった場合は、噴火警戒レ
ベル2(火口周辺規制)から噴火警戒レベル3(入山規制)に引き上げる可
能性があります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、8日06時30分頃から火山性微動の振幅が大きくなり、一
時的に中岳西山腹観測点南北動成分の1分間平均振幅で10マイクロメート
ル毎秒を超えましたが、同日13時頃に2.0マイクロメートル毎秒程度ま
で急激に小さくなりました。その後は緩やかに増大し、本日(9日)15時
現在、4.0マイクロメートル毎秒程度で推移しています。
 
 本日、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査では、火
山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は800トン(前回(8日)9
00トン)と少ない状態でした。
 
 中岳第一火口の噴煙の状況に特段の変化はなく、本日、白色の噴煙が最高
で火口縁上500mまで上がりました。
 
 火山性微動の振幅は大きな状態で推移しており、火山活動の高まりがみら
れますので、今後の情報に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、10日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。