火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第80号
令和4年9月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 8月29日から9月2日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。
 また、同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測
しました。
 
 30日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり2500トン(前回8月16日、1500トン)と、多い状態でした
。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま
せん。
 
 GNSS連続観測では、昨年(2021年)10月頃から、姶良カルデラ
(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びがみられていましたが
、3月頃から停滞しています。
 
 広域のGNSS連続観測によると、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下
深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態と考えられ、火山ガス(二酸化硫
黄)の放出量も概ね多い状態で経過していることから、現在、噴火活動がみ
られている南岳山頂火口を中心に、今後も活発な噴火活動が継続すると考え
られます。今後の火山情報に注意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は
速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震  爆発
  8月29日        2回  0回
    30日        0回  0回
    31日        1回  0回
  9月 1日        1回  0回
     2日15時まで   0回  0回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。