火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第71号 令和4年8月1日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 7月29日から8月1日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。 南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模 な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 桜島では、活発な噴火活動が続いています。 南岳山頂火口では、噴火が8回発生し、このうち6回が爆発でした。噴煙 は最高で火口縁上1800mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大き な噴石が最大で6合目(南岳山頂火口より800mから1100m)まで達 しました。 また、同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測 しました。 29日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日 あたり3200トン(前回7月25日、2100トン)と、非常に多い状態 でした。 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生 しました。 GNSS連続観測では、昨年(2021年)10月頃から、姶良カルデラ (鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められていました が、3月頃から停滞しています。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は増加傾向が見 られます。これらのことから、現在噴火活動がみられている南岳山頂火口を 中心に、噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情報に注意してく ださい。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり 、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 7月29日 27回 0回 30日 38回 3回 31日 8回 2回 8月 1日15時まで 5回 1回 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため 注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生 する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(金)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。